植え込みの木蓮にアブラゼミの抜け殻を三つ見つけました。いずれも幹や葉にしっかりと爪が食い込んでいました。羽化の際に体をしっかり固定するためです。枯れ木に産み付けられたアブラゼミの卵は翌年の梅雨頃に孵化して幼虫となります。幼虫は脱皮すると土の中にもぐりこみ、6年の地下生活に入ります。その間に4回脱皮して、ようやく地上に出ますが、長くても一か月の命です。それで、日本ではセミは古来より「もののあわれ」の代表でした。中国では「よみがえり」の象徴とされ、フランスでは幸福を運んでくる虫と考えられているそうです。