お正月中、『日本軍の治安戦 日中戦争の実相』(岩波現代文庫)という重苦しい本を読んでいました。それで少し気分転換をしようと、小説やエッセイを3冊ほど読みました。偶然、いずれも有名作家の晩年の作品でした。先ずは谷崎潤一郎の『瘋癲老人日記』(中公文庫)。谷崎76歳の時の小説で、3年後に亡くなりました。次は、私が好きな「御宿かわせみ」シリーズの作者、平岩弓枝の『日本のこころ』(文春文庫)。昨年91歳で亡くなった平岩、最晩年のエッセイが収録されています。最後は、落合恵子の『明るい覚悟 こんな時代に』(朝日文庫)。78歳になった彼女の日々の生活がつづられています。