「十一人の弟子たちはガリラヤに行き、イエスが指示しておかれた山に登った」(マタイ28:16)
きょうの福音は、イエスが昇天する前に弟子たちを派遣するに際して、ガリラヤで語ったことばです。弟子たちにとってガリラヤは、生前のイエスが生活した場所であり、彼らがイエスと共に過ごした場所でした。イエスはガリラヤで「神の国」運動を始め(マタ4:17)、ガリラヤ中を巡回した(マタ4:23)。このようなイエスの生活の場が、「復活した」イエスとの出会いの場となった。生活の場を離れたところに「復活」があるのではない。イエスとの出会いは私たちの生活の場で起こる。イエスは「わたしはいつもあなたがたと共にいる」と、弟子たちを励ます。イエスの「共に」は、祈りの場において実現するだけではなく、生活の場において現実的な力として実現する。「父と子と聖霊の名によって」とは、このような力をもたらすイエスの運動に連なることの表明でもある。