年間第17主日C年
福音=ルカ11:1-13
「父よ、御国が来ますように」(ルカ11:2)
主の祈りは、形式としてはユダヤ教の「カディシュの祈り」に関連があると言われているが、内容的には旧約聖書に見られる「ヨベル理念」に基づいている。
ルカ福音書では、イエスは宣教活動を始めるに際して、ナザレの会堂でイザヤの預言を朗読して、ご自分のメシアとしての使命を人々に公にするが(4:16-19)、それは「主の恵みの年」すなわち「ヨベルの年」の実現を告げるものだった。
「主がわたしを遣わされたのは、
捕らわれている人に解放を、
目の見えない人に視力の回復を告げ、
圧迫されている人を自由にし、
主の恵みの年を告げるためである。」
この解放のメッセージは、すでに「マリアの賛歌」(1:46-55)のなかで預言的に示されている。
「主はその腕で力を振るい、
思い上がる者を打ち散らし、
権力ある者をその座から引き降ろし、
身分の低い者を高く上げ、
飢えた人を良い物で満たし、
富める者を空腹のまま追い返されます。」
そして、「平地の説教」(6:20-26)において、この解放の実現とは「神の国」の到来によってもたらされる「幸い」であると言われる。
「主の祈り」はイエスご自身の使命であり、彼に従おうとするすべての人の使命と目標である。私たちがこの祈りを唱えることは、自らの生き方を確認し、それを表明することなのだ。日毎「主の祈り」を唱えるとき、イエスに従う決意を新たにしたい。
カトリック高蔵寺教会